相続発生後の『安全・あんしん』対策

【所得税、住民税の節税】
 遺産分割協議が整い、分割財産の名義変更を行い、相続税を申告・納税しました。相続に関する手続きは終わりましたが、相続人の悩みはまだ終わりません。新たに相続財産の管理という問題が生じるからです。
 たとえば今まで「親がやっていること」と興味も関心もなかった貸家の維持・管理を受け継いだら、どうしますか? もし管理がルーズで不動産の資産価値を減らしてしまったら、今後の二次相続、三次相続の際にそれが問題になる可能性があります。また、管理はきちんと行っていても、所得税や住民税で貸家が原因の思わぬ税負担がのしかかって家計に影響することもありえます。ですから相続発生後、相続税の納税後の節税対策も、考える必要があります。
 不動産管理会社をつくらず、個人で不動産収入を申告する場合でも、節税できる方法があります。それは「事業的規模」と認められる場合です。貸家なら5棟、アパート・マンションの貸室なら10室を超えると「事業的規模」になります。
 事業的規模なら、複式簿記できちんと記帳して青色申告をすれば65万円の青色申告特別控除が受けられます。また、配偶者に専従者給与を支払えば、給与所得控除65万円と基礎控除38万円を合計した103万円までは配偶者に所得税、住民税がかかりません。そうしたメリットが、事業税が新たに課税されるデメリットを補えば、節税になります。
 相続財産を、所得税、住民税を節税しながら維持・管理していく方法は他にもいろいろありますので、ぜひ税理士にご相談ください。

過去の相続税調査分析など

【過去の国税庁の相続データから読み取れること】
 国税庁は平成21年(2009年)12月、平成19年(2007年)の相続税に関する統計を公表しました。それによると1年間に亡くなった被相続人110万8334人のうち、相続税額がある人は4万6661人で、その割合は 4.2%でした。
 相続税の税務調査の件数は1万3845件で、申告漏れの指摘件数は1万1884件でした。税務調査が入ると 85.8%という高率で申告漏れを指摘されています。
 申告漏れの課税価格は4119億円にのぼり、1件あたり3466万円でした。申告漏れが指摘された資産は現金・預貯金等が1517億円で最も多く、有価証券の687億円がそれに次ぎ、金融資産で半分以上を占めています。
 追徴税額は本税で807億円、加算税で134億円で、1件あたり792万円となっています。税務調査で悪質な所得隠しとみなされて重加算税が課せられた件数は1914件あり、申告漏れ件数全体の 16.1%でした。
なお、海外資産の税務調査では334件の申告漏れが指摘され、過去最高を更新しています。
 いったん税務調査が入ったら85.8%が申告漏れを指摘されているデータから、「相続税の税務調査は厳しい」ということがわかります。調査官は「ついうっかり」にしても意図的にしても所得隠しを暴くプロで、海外にある資産でもきちんと調査されます。
 私共では、国税庁のデータ、取り扱った過去の相続税申告や税務調査を受けたデータをもとに、「どんなケースが税務調査の対象になりやすいか?」「調査官は何をチェックするか?」「申告漏れはなぜ起きるか?」「どんな資産で起こりやすいか?」などを綿密に分析しています。それに基づいて数々の税務調査対策(プロテクション)を実施しています。
 税務調査の連絡を受けたら、私共が窓口になりますので、「税理士に任せていますのでそちらに連絡して下さい」と伝えて下さい。何か問題が発生した際にも、調査日前にお伝えいただければ、対策を立てて対応します。私共は税務調査がより短い期間で終了するよう、資料をそろえて終日現場で立ち会いをさせていただきます。私共は相続税申告の内容やお客様の現状を把握しており、調査官の質問にも迅速に回答しますのでご安心ください。調査での質問にも、わからないことは「わからない」と、聞かれたことにだけ答えてくださればけっこうです。